やばい!トラックぶつけた。
どうしよう、なんとかならないかな。
こんな悩みにお答えします。
「会社のトラックをぶつけてしまった」
「ガリガリ」「パリン」
なんとも言えない音が、あなたの心を不安にさせます。
慌ててトラックを降りて確認。
「嘘であってくれ」と願うが
「傷がついたトラック」に現実を突きつけられます。
「いますぐ、逃げ出してしましたい」
こんな感情が込み上げてきます。
今回、この記事では「物損事故を起こしてしまったときの対処法」の解説です。
不意にトラックをぶつけてしまったとき、どのように対処すれば良いのかをわかりやすく解説していきます。
また、実例をもとに、物損事故における「責任」は誰にかかり、今後どのような対処を受けるのかなども説明していきますので、一読してみてください。
会社のトラックをぶつけた|物損事故の場合
物損事故とは
物損事故とは、その名のとおり「物を破損させた事故」です。
事故の対象物が「物」であり、「死傷者がいない事故」となります。
人にケガをさせたり、死亡者が出た場合は「人身事故」として処理されます。
物損事故が起きたときの対処法
物損事故が起きてしまったら、慌てず処理をしていきます。
まずは、車両(トラック)を交通の邪魔にならない安全な場所へ移動。
破損物が散乱している場合は、交通整理(手信号など)で二時災害を防止します。
物損事故時の対処法①「警察に通報」
事故の大小に関わらず「警察に通報」は、必ず行いましょう。
警察への通報は、事故当事者の責務です。
警察に通報しなかった場合
「報告義務違反」となり「3ヶ月以下の懲役」または「5万円の罰金」などが科されます。
また、交通事故証明書が発行できず、会社での事故処理にも不備が生じてしまうので注意が必要です。
*例外として「会社の敷地内」「会社の駐車場」など、あなたの務める会社内での事故の場合は、会社の管理者へ相談しましょう。
物損事故時の対処法②「破損させた所有者の確認」
破損させたものには必ず「所有者」がいます。
所有者の例
・ガードレールは、国土交通省・都道府県(市町村)の道路管理者。
・「看板」や「ひさし」などは、お店や不動産会社。
このように、必ず「所有者」「管理者」は存在します。
なので物損事故を起こした時には、所有者・管理者への報告が必要です。
報告が遅れたり、現場から離れてしまった場合、当て逃げと扱われるケースもあります。
最悪のケースを避けるためにも「所有者への報告」はしっかり行なっておきましょう。
物損事故時の対処法③「会社に報告」
あなたが勤めている運送会社への報告も忘れずに。
事故の大小に関わらず、会社で事故処理を行わなければなりません。
運送会社であれば、必ず事故処理の担当者がいますので、報告をしましょう。
物損事故により「破損した物」「トラックの状況」「警察への報告」などを正確に伝えてくだい。
電話でのやり取りとなりますので、担当者が理解できるように細かく伝えることがオススメです。
物損事故時の注意点「所有者と示談交渉はしない」
示談交渉とは「話し合いで解決」することです。
ここでは、あなたと所有者での「話し合い」を指します。
「会社に報告しずらい」気持ちはわかりますが、示談交渉はしないでください。
主な理由として、個人での示談交渉は揉め事になるケースが多いからです。
あとで追加請求してきたり、慰謝料を高く請求してきたりするケースもあります。
相手側から示談交渉を持ち込まれても、必ず「お断り」してください。
会社の事故処理担当にお任せしましょう。
「警察」「会社の責任者」「被害者」でしっかり話し合い、保険会社などを通じて損害価格を決めていく形が理想的です。
示談交渉はトラブルの元です。気おつけてください。
物損事故の責任は誰?
物損事故が起きたときの責任って、誰にあるのでしょうか?
ここからは、実際にあった事故ケースをもとに分析していきます。
3つのケースから、ある程度の答えを導き出していますので、参考にしてください。
ケース①「横乗り期間中にぶつけた」
研修期間中は、先輩ドライバーが助手席に乗り、運転指導や仕事の流れを教えます。
そんな最中「サイドバンパーをガリガリ」
こんなときは、誰の責任になるのでしょうか?
まずは、ハンドル操作しているドライバー(研修生)に責任が生じます。
研修ドライバーのミス
「ハンドル操作ミス」「危険察知ができなかった」
このようなミスが指摘されます。
とはいえ、横乗り指導員(先輩ドライバー)にも責任は生じます。
指導員のミス
「しっかりドライバーの様子を見てなかった」「危険箇所の説明が不足していた」
研修期間中のミスであれば、指導員の指導ミスが指摘されるのです。
では、弁償金の責任は誰に生じるのでしょうか?
弁償金の責務
「研修生」と「会社」の折半。もしくは「会社が全額負担」
基本的には「研修生と会社の折半」ですが、ほとんどのケースであれば「会社負担」となるでしょう。
研修中に起きた事故なので、「指導不足」や「会社の指導に問題があった」このような指導結果が原因となります。
ケース②「会社敷地内でぶつけた」
車庫からトラックを出庫させるとき「となりのトラックにガリガリ」
こんなときは、どうなるのでしょう?
このケースの場合、100%ドライバーの過失となります。
過失の内容
「周囲の確認不足」「ハンドル操作ミス」「慢性的な注意不足」
運送会社からの視点から、車庫の事故は「完全にドライバーの注意不足」の烙印が押されてしまいます。
少しキツイ言い方ですが「トラックドライバーとして注意力が不足している状態」です。
「修理代を全額ドライバーに負担したい」
会社としては、こんな気持ちになると思います。
しかし、ぶつけてしまったトラックや乗用車の修理は、当たりどころによっては「個人では負担できない」くらいの額になってしまうこともあるのです。
なので、結局のところ「会社が折半」するケースが多いかと思います。
30万の修理代で「15万円」、50万円の修理代で「25万円」このくらいは覚悟しておいてください。
ケース③「居眠り運転で信号機に衝突」
僕の会社で起きた「重大事故の1つ」です。
深夜の運転で、居眠り状態になってしまい「交差点の信号機に衝突」してしまいました。
こんなときは、どうなるのでしょうか?
こちらのケースも「ドライバーの過失100%」となってしまいます。
過失の内容
「体調管理不足」「眠気のある時はしっかり休憩する」「前方不注意」「集中力不足」
会社での判断は、こんな感じでした。
眠気を感じたら、無理せず休むことです。頑張って運転しても「このような結果」が出てしまえば、誰も褒めてくれないし、認めてくれません。
かわいそうですが、これが現実です。
「信号機の修理代」はいくらだったんでしょうか?
インターネットの書き込みでは「120〜300万円」なんて言われています。
「事故当事者」に聞いてみたんですが、教えてくれませんでした。
推測するに、「とんでも無い金額」だったんでしょう。
その彼は、事故が原因ではありませんが、間も無くして退職してしまいました。
事故の責任者と弁償金
物損事故が起きてしまったら、ほとんどの責任はドライバーという結果となりました。
やはり、最終的にハンドル操作をしていた本人に責任がかかります。
しかし、弁償金となると高額になり、とても個人では支払うことができないため「会社がある程度負担」するケースが多いようです。
会社側としては「反省の意味」を込め、ドライバーには「少し高額」に請求するときもあります。
「この機を境に、事故を回避できるようになってほしい」少し高い授業料ということでしょう。
交通事故につい詳しく知りたい人は、下記事を参考にしてみてください。
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「会社のトラックをぶつけた」こんなときはどうするの?|物損事故の対処法【まとめ】
今回、この記事では「トラックをぶつけてしまった」ときの対処法をお伝えしました。
トラックをぶつけた対象が「物」である「物損事故」の対処法です。
スムーズな対処ができるように「3ステップ」で解説しています。
さらにプラスで「注意点」を1つ、合計4つの解説をしていきました。
物損事故が起きたときの対処法
・警察に通報
・破損物の所有者の確認
・会社に報告
・示談交渉をしない
まずは、トラックを安全な場所に移動し、あわてず処理してください。
次に「物損事故の責任は誰」なのかを「実際に起きた事故ケース」をもとに解説しています。
こちらでは、3パターンの事故による解説で「物損事故の責任」について、わかりやすく説明しています。
結論として「事故原因はドライバー」「請求額は高額になるケースが多いので、会社と折半」
このような結論となっています。
トラックは車両が大きく、事故が起きれば大惨事となってしまいます。
とにかく、慎重に注意が必要です。
とはいえ、誰も「事故を起こしたくて起こしている」訳ではありませんよね。
さらに、事故が起きれば「パニックを起こしたり」「冷静な判断が欠ける」ことが多いと思います。
そんな時でも「気をしっかり持つ」ことをお忘れなく。