トラックドライバーってブラックなイメージ。
労働時間が長く、大変そう、、、。
真相が知りたい。
こんな疑問にお答えします。
トラックドライバーに興味があるけど、ネットで調べると「ブラック企業だらけ」なんて答えがヒットしませんか?
たしかに、トラックドライバーの労働時間は長く、ブラックなところはあります。
参考までに下の図をご確認ください。
厚生労働省が発表している「統計からみるトラック運転手の仕事」です。
トラックドライバーの労働時間の統計が表記されています。
令和2年では、全産業の平均が2100時間に対し、
・大型トラック運転手は、2532時間
・中・小型トラック運転手では、2484時間
となっています。
年間で、300〜400時間。月間で25〜33時間。1日平均4〜5.5時間も長い計算になります。
休日も年で70〜90日ほどのところが多く、労働時間が長くなる理由の1つです。
このように比較すると長いですね。
では、なぜトラックドライバーの労働時間が長いのか?
主な理由は2つあり「待機時間」「交通渋滞」が挙げられます。
・「待機時間」とは、荷物の積み下ろしなどの順番待ちの時間
・「交通渋滞」とは、事故渋滞や繁忙期・行楽シーズンの交通渋滞
大まかに分類するとこんな感じです。
今回、この記事では「トラックドライバーの労働時間が長い」理由について深掘りし解説します。
「トラック業界の闇」とも言われる「長時間労働の真相」がわかると思います。
「運送業界を25年ほど経験しているボクと仲間たちの体験」こをもとにお伝えするので、かなり真相に近づけているはずです。
3〜5分ほどで読めるよう工夫しているので、ぜひ参考にしてみてください。
こんな記事も読まれています。興味があれば参考にしてください。
トラックドライバーの労働時間が長くなる理由
トラックドライバーの労働時間が長くなるのどうしてなのでしょうか?
ボクの経験談から見えた答えはこの2つ
・待機時間
・交通渋滞
1つずつ深堀して、説明します。
待機時間
荷物の積み下ろしの時の「待機時間」は、運送業界にとって悩みの種であり問題視されています。
しかし、現状は「解決ができていない」状況です。
待機時間の原因の1つに「荷主と倉庫」が関係しています。
「入出庫の効率が悪く、スムーズな対応ができない」
ざっくり言えばこんな感じです。
たとえば、入庫の例ですが、荷物を入庫する際には「検品」があります。
「検品」とは荷物の状態(破損や数量)のチェックです。
デジタル化が進んでいる昨今ですが、最終的なチェックは人の手作業で行なっているのが現状です。
入庫数量や納品日のイレギュラーや荷物の破損などのチェックに時間がかかります。
荷主や配送元に電話で確認をしたり、対応の指示を待っていたり、
トラブルの都度、時間を奪われてしまうのです。
当然ですが、入出庫はトラックの数が多ければ多いほどトラブルは増えていきます。
大きな物流倉庫では、2〜3時間の入出庫待ちはザラにあり、繁忙期にもなれば半日くらいトラックで待機しているドライバーもいるくらいなんです。
現在では、この問題に対し「待機時間の記録」をしたり、荷主や倉庫に対し国から業務の見直しが勧告されたりしています。
しかし、現状は変えることが難しく、改善はできていません。
トラックドライバーの労働時間が長い原因の1つは「待機時間」が問題となっています。
交通渋滞
交通渋滞が原因で到着時間が遅れ、労働時間が伸びてしまいます。
- 交通渋滞が起きる原因
- ・五十日(ごとおび)毎月5日・10日・15日・20日・25日・30日
・事故や工事
・台風や大雨による通行止め
・行楽シーズンによる車両の増加
交通渋滞が起きる原因は、ざっとこんな感じです。
こんな時はどうしようもありません。どんなに急いでも無理ゲーです。
到着が遅れることを会社に連絡して、荷主や倉庫にコンタクトを取ってもらいます。
荷主や倉庫も遅れることが事前にわかっていれば、それなりの対応をしてくれます。
しかし、配送や集荷の遅れはドライバーの負担になってしまいます。
渋滞で遅れた分、ドライバーの労働時間は伸びてしまうのです。
トラックドライバーは、1人仕事が基本です。代わりがいないということ。
これはトラックドライバーの宿命となります。
五十日や事故・工事での渋滞で、1〜2時間ほど仕事が遅れることなんてザラにあります。
大雪や台風による通行止め、行楽シーズンの渋滞ともなると5時間から半日なんてこともあるくらいです。
実際、ボクは2016年大雪の通行止めにハマり、通行止めの解除まで約1日トラックで過ごしたこともあります。
トラック業界の闇「本音・真相」|残業代・運賃が問題
トラックドライバーの労働時間が長くなる原因は、他にもあります。
具体的にはこの2つ、
・残業ありきの給料体系
・そもそも運賃が安い
このようなことも問題となっています。
そもそも「運賃が安い」から「数で勝負」
こんな傾向があります。1つずつ深掘りして説明していきます。
残業ありきの給料体系
トラックドライバーの世界観に「残業して当たり前」な風習が残っています。
2024年には「ドライバーの残業時間の上限が960時間/年」となり、運送業界は急速な「働き方改革」が求められる状況です。
しかし、現場ではこれといった対応策もなく、途方に暮れています。
そもそもの給料体系も「残業ありき」で計算される会社が多く存在しています。
「1日12時間労働」これくらいやって当たり前。
こんな感じの経営陣が管理しているのが、現在の運送業界・トラックドライバーの現状です。
つまり、長時間労働が美学とされているのです。
「働くことが大好きな日本人あるある」というところでしょうか。
運送業界には、まだまだこのような風習が残っているのが現状です。
そもそも運賃が安い
小泉内閣がおこなった規制緩和(2001〜2006年)がきっかけで、運送業界は運賃が下がりました。
規制緩和により新規の運送会社が増え「荷物の取り合い」が起こり「運賃値下げ戦争」が起こってしまいました。
その名残りは消えず、現在にも影響があります。
1度下がった運賃は戻すことが難しいのです。
経営陣の方たちが一生懸命に「運賃交渉」をしてくれています。
しかし、現状「下がり切った運賃を戻すこと」はとても難しく「運送業界の闇」として問題視されています。
こちらは補足ですが
「運賃計算が雑」なことも運送業界では問題となっています。
つまり「どんぶり勘定」で物事が進んで、結果としてドライバーが苦しむということなんです。
具体例を挙げると、中・長距離便でよくある話ですが、
関東は〇万円(積み場所によってだいぶ運賃が違うので、あえて◯万円で表現しています)
と「関東」「関西」などエリアごとで運賃を設定されることが多いのが現状です。
しかし、関東といえども「栃木の那須」と「神奈川の横須賀」では距離にして262,9kmの差があります。
移動時間は約3時間半。すごい時間ですよね。
つまり、西からの便であろうが北からの便であろうが「那須から横須賀は関東」となってしまい「運賃が固定」されてしまうのです。
極端な話ですが、集配先が那須と横須賀では3時間半も違うけど運賃は同じ。
単純にドライバーの移動時間だけが損する計算となってしますのです。
もちろん、残業代や手当てで負担する会社もあるかもですが、微々たるものでドライバーとしては旨味がありません。
【トラックドライバー】労働時間が長い理由|「業界の闇」本音と真相【まとめ】
今回は「トラックドライバーの労働時間長い理由」を2つの経験をもとに作成しました。
- 待機時間
- 交通渋滞
「待機時間」は、荷物の積み下ろしの時に起きる「順番待ち」が長くなり労働時間が伸びる原因となるということ。
「交通渋滞」は、事故や工事・大型連休に伴う交通渋滞、また台風や大雪のなどによる天災による交通渋滞が原因。
このようなことを具体的にまとめました。
また「労働時間が伸びる」理由を別の角度からも解説しました。
・そもそも「運賃が安く」「数で勝負」する現状である
こんな観点で、運送業界の運賃が安くなった歴史やアバウトな料金体系などを説明しています。
以上のことをボクの経験からまとめました。
トラックドライバーと言っても、地場から長距離、軽トラから大型トラック・トレーラーまで幅広く仕事内容がありますが、上記については共通した「運送業界の闇」であると思います。
生活のためとはいえ、労働に時間を割くことは死活問題ですが仕方ないのが現状なのではないでしょうか?
とはいえ、トラックドライバーは「1人で気楽」だし「人間関係」で悩むことが比較的少なく気が楽な職業です。
多少の労働時間を犠牲にしても、継続していくだけの価値がある職業ではないでしょうか。